大学生のうちに身をつけたい時間管理術

大学生のうちに身をつけたい時間管理術

タイムマネジメントとは

タイムマネジメントとは、厳密にいえば時間管理ではありません。1日24時間という時間を増やしたり、減らしたりすることができないからです。
時間を有効活用し、能率・効率的にものごとを進めるための行動のマネジメントを指します。
ビジネスの世界では、仕事の成果はタイムマネジメント次第と言われており、工夫次第でプロジェクトを円滑に進めることが可能です。
社会人として重要なスキルとされるタイムマネジメントを学生生活の中で身につける方法について紹介します。

タイムマネジメントのメリット

1日のうち、活動できる時間は決まっていますので有効に使いたいものです。

成り行き任せにならない

タイムマネジメントが意識できないと課題に対しだらだらと時間だけが過ぎていきます。締め切りや目標を設定して行動することで、その課題について調べる時間や助けを求める時間を確保することができます。
もし、間違ったことをしていても、すぐに気づいて改善することも可能です。先延ばしの原因となる怠け心も克服できます。

集中しなければならないタイミングが分かってくる

目標達成を高めに、少しタイトな締め切りを設定すると短期集中の力が身につくと言われています。
時間をかければいいものができると考えがちですが、必ずしもそうではありません。寿司屋で10年卒業して1人前になろうが、3ヶ月専門学校に通って1人前になろうが、いいものを提供できていれば結果は一緒です。
ビジネスの世界ではいかに短時間でクオリティの高いものを作れるのかが重要になってきます。

ストレスの軽減

やるべきことが山積みで時間が足りない状態だとストレスが溜まってしまいます。適切な時間管理によって、やることに優先順位をつけ、重要なことから取り組むことができます。
そうすることで、何をすべきか、それぞれのタスクを完了させるためにはどれだけの時間があるのか正確に把握できるでしょう。
やるべきことが整理されていくことで、不安やストレスを軽減できます。

タイムマネジメントのやり方

大学生は普段の授業に加え、授業の予習・復習、レポートなどの課題、試験や資格の勉強、ゼミ、卒論、就活、サークル活動、アルバイト、友人との付き合いなど、やることは沢山あります。
気持ちに余裕を持つためにタイムマネジメントのコツについて紹介します。

早起きする

朝起きた時の頭は最もさえています。寝ている間に頭の中の疲れがクリーニングされた状態だからです。早起きして今日やることを考える時間を作れることで余裕が生まれます。
成功者に早起きの人が多いのも、これが理由です。まずはいつもより30分早く起きて、慣れてきたら1時間早起きしてみましょう。

予定を一つにまとめる

予定管理の手段としてどのようなものを利用しているでしょうか。手帳に書き込んだり、TODOリストを作成したり、スマホのスケジュール機能を活用したりしている方は多いと思います。
ただ、2つ以上のツールを使っていると予定を見逃してしまう恐れがあります。できる限りスケジュールは1つに集約するようにしましょう。

優先順位をつける

やることを以下の4つに分類しましょう。

A.重要度が高く、緊急度が高いもの
実行しないと大きな損失が生じてしまうものです。大学生だと期限が迫った課題やレポート、テストなど。多くの人が前日一夜漬けで終わらせるタスクはここに入ります。

B.重要度が高く、緊急度が低いもの
この項目は自分の成長のためにとても大切です。1ヶ月先のテスト勉強など地道な努力は重要ですが、緊急度としてはすぐに必要というわけではないものがここに入ります。

C.重要度が低く、緊急度が高いもの
予定になかった友人から遊びの誘いは重要ではないけども、付き合いとして大切なものです。他の予定が前後したり、潰れたりしてしまうことがあるのでなるべく割く時間が少ないほうがいいと言われています。

D.重要度が低く、緊急度が低いもの
自分の趣味や好きなことに当てはまります。

一番優先順位の高い Aから、B、C、Dの順番に時間を確保していきましょう。次に閉め切り期限内で終わらせるために、それぞれ、いつ、どのくらいの時間をかけて取り組むのか決めましょう。
理想としてはBに時間を割くこと。上手くいくとAの発生を減らしていくことができるからです。しかし、期限が先だからと後回しにしがちですが、Bを着実にこなしていきましょう。

細かく分ける

優先順位を設定できたら、それをさらに詳細な行動計画に落とし込みましょう。たとえば、タスクを月単位、週単位、日単位といった時間軸と行動の種類によって細かく分けます。

  • 今日はこのタスクを、このレベルまで進める
  • 週末にはこのレベルまでに到達している
  • 月末には会議で発表できるような結果が手に入っている

など時間軸を設定し、そのためにどんな作業が必要になるか行動の種類を設定します。時間軸でアクションプランを練ることで、タイムマネジメントがより実践的になります。

予定に余裕を持つ

朝から晩まで予定を詰め込むと何かトラブルがあったり、差し込みの頼まれごとをされたりした場合、予定通りいかずストレスに。また、予定を詰めすぎると1つ1つのタスクが雑になり、周囲の迷惑になってしまうかもしれません。
余裕をもってスケジュールを組むようにしましょう。

やらないことを決める

1日は24時間と決まっています。刻一刻と減り続ける大切な時間ですから、無駄なことに使っている時間は減らしていきたいものです。そのためにやらないことを決めておきましょう。
まず、自分にとってやらないことは何なのか、自身の行動を振り返ってみてください。使いすぎていると思うものを削っていきます。
注意点としては睡眠時間を削るのは絶対にやめましょう。健康でなくては何もできなくなるので、睡眠時間は最も大切といっても過言ではありません。

予定通りいかなくても自分を責めない

スケジュールを組むことが大切ですが、何事も予定通り進むとは限りません。計画を立てたのに、その通りできなかった場合、自分を責めないようにしましょう。

集中して勉強できる時間管理術

勉強する時間を作ったとしても、集中力を切らさず勉強を続けるのは難しいものです。試験前にあわてて机に向かうような人であれば、尚更難しいでしょう。
ですが、ポモドーロテクニックという時間管理術を使うことで、集中力を維持しながら勉強ができます。

25分勉強して、5分休憩する

ポモドーロテクニックとは、勉強や仕事のタスクを25分ごとに分割して、5分の休憩をはさみながらタスクを実施する時間管理のテクニックです。
実施することで集中しやすくなり、生産性が大きく上がります。1タスク25分間のことを「1ポモドーロ」と呼び、4ポモドーロごとに20~30分の長めの休憩を入れることが推奨されています。
ポモドーロテクニックはイタリアのコンサルタントであるフランチェスコ・シリロ氏が1987年に考案された方法です。当時大学生だった彼は、集中力の維持に悩んでいて、時間の使いかを見直してみたそうです。
その時使用したのがトマト型のキッチンタイマーでした。ポモドーロとはイタリア語でトマトを意味しています。タイマーを使って、どのくらいの時間を設定すれば集中できるのか試行錯誤した結果、最終的に導き出されたのが25分作業+5分休憩だったそうです。

ポモドーロテクニックを使うならタイマーを準備しよう

ポモドーロテクニックを浸かって勉強するなら必ずタイマーを使いましょう。キッチンタイマーでもいいですし、スマホのタイマーでもかまいません。常にタイマーのカウントダウンを意識することで、集中して勉強できます。
スマホアプリの中にはポモドーロテクニック専用のタイマーアプリがあるので、使ってみるといいでしょう。

ポモドーロテクニックの効果

ポモドーロテクニックを実践することでいくつか効果があるとされています。

集中力の維持

人が集中できない原因として、他の人から連絡が来るといった外的要因と、自分自身が何かに気をとられてしまう内的要因に分けられます。集中するには内的要因を改善することが大切です。ポモドーロテクニックでは、決まった時間内に決まったタスクをこなすという明確な目標を立てることで、集中しやすい環境を作ります。

時間管理できる

時間のプレッシャーに負けず締め切りを守るという効果があります。勉強や作業というのは時間に追われがちです。時間が足りないことで焦りが生まれたり、終わらないことに不安を感じたりします。しかし、ポモドーロテクニックを続けることで、自分がどのタスクにどのくらい時間がかかっているのか分かってきます。いつまでに何を終わらせればいいのか理解することで安心して作業できるようになり、作業中に他のことを考えてしまう内的要因を軽減できるのです。

タスク管理ができる用意なる

ポモドーロテクニックは単純に時間を管理するだけではなく、1ポモドーロで完了できるタスクを設定することが重要です。これによって、25分間で実践できる作業量が理解できるようになり、時間を見積もる能力を身につけられます。
自分にとって理解しやすい目標を立てる能力を身につけることができれば、目標を達成できる可能性が上がり、成功体験となる良い循環が生まれるのです。

チーム内の作業効率化が図れる

ポモドーロテクニックは個人の作業効率向上だけではありません。やるべきことをチーム間で同じ視点を共有できる、タスク完了のためにチーム内コミュニケーションを最適できるといったチームワークをもたらす効果もあります。
ポモドーロテクニックを実践することで目標やタスクが明確になるので、チーム内で共有することでメンバーが同じ方向性で作業することができるようになるのです。